ジャマイカのリディムと日本の大衆はやり唄——とは言い得て妙の、新しくも懐かしくも切なくも軽妙な音楽。アメフォン率いるattcと柳屋小春のコラボレート、ついに完成!

book Indie music

2020.05.23

CD+7インチ+テキストブックで届けられる、豪華かつ軽妙な音絵巻。

アメフォンのベースを軸に、リアルタイムでダブ感を感じさせるサウンドプロダクションを奏でていたattcと、音曲師の柳屋小春のコラボレーションを初めて見たのはいつのことだったか? まだライブをよく見に行っていたころなので、少なくとも7、8年は前のことだと思うけれど、その時から円盤(否・黒猫)田口氏に「この2組のコラボレーション作品作るからサー」と聞いていた。レゲエのリディムと小唄、そんな組み合わせの妙は、思っていたよりも座りが悪く(笑)、いや、座りが悪いからこその違和感と異物感が本当に面白くて、「それは聴きたいわなぁ」とずっと思っていた。で、数年前に「録音終わったよー」との報を受けるも、いろんな紆余曲折もあり、なかなか形にならないままでいた謎音源。それを数年前、sweet dreams福田教雄から「やりますよー、大変だけれど」と(笑)。まぁ、聞くに、考えるに、なかなかに大変だったこのコラボレーションがようやく盤としてリリースされることに、本当に嬉しく思っております。

無駄に重くなりすぎない、ルーツ・レゲエ的サウンドプロダクションの上で、小春さんの軽味のある歌声が重なり合う、もうそれだけで素敵。あえて「どちらの領域」に合わせることをしない、ということが、かえってそれぞれの音、そして唄を鮮明にしているわけで、「レゲエ風」でも「小唄風」でもない音楽になっております。なによりも一度耳にしていただくほうがいいんじゃないかと思いつつ。

Sweet Dreams Press · attc vs Koharu – 淡海節


そして、本作は、スイドリ福田の生活を脅かす、CD+7インチ+ハードカバーのブックレット(64P)という特別過ぎる仕様で登場。これで3,800円なんて、本当に大丈夫? それ以前に、須川善行氏によるテキスト「時代曲周遊」は、実はこのattc VS 小春に関するものではなく(まぁ、なんらかの繋がりはあるのですが)、日本を含む東南アジアの流行歌に関するものであり、目からウロコな内容もありつつ、これだけでも一片の書籍とも言える仕上がり。とにかく、ミュージシャン/筆者/制作者の思いがギュッと詰まった、重すぎる(でも音は軽やか!)なものに仕上がっております。

どうやら限定の500個は、予約の通信販売と書店/レコード店に流れただけで完売の模様。まぁ、これからレコ屋に向かって手に入れれば余裕で聴ける(読める)ので、全国の物好き音楽好きは買いに走れ、です。

とにかく、完成オメデトウゴザイマス! お疲れ! 自分もあれとあれを作ります。作りますぞ!