RISOrt Week test 1  トランスポップのハンドソウプレスが大スタート! しょぼい個展かと思ったら、結構見どころ、遊びどころたっぷりのイベントとなっております。

毎朝、同じ場所に通う、ということをしているのは、何ヶ月ぶりだろうか? いや、日々、同じ生活をしているけれど、仕事場が印刷スタジオだったり、食堂だったり、ちょっと私用だったり、病院だったり、と日々、いろんなことを背負って、いろんな場所に顔を出しているけれど、この数日は、毎朝起きて、朝ごはんを食べて、そしてスタジオ経由でトランスポップギャラリーに足を運ぶ。「暑いねぇ、死にそうやわぁ」とトランスポップの店主・山田さんのマシンガントークを訊く。あぁ、懐かしい。あぁ、楽しい(笑)。

8月20日から、京都は出町柳のトランスポップギャラリーにて、始まっております『RISOrt Week test 1 トランスポップのハンドソウプレス』。正直、当初は「既存の作品をちょこちょこと並べぇの、zine置きぃの……」程度のことしか考えていなかったのだけれど、やり始めてみたら楽しくって、面白くって、新作をバンバンと印刷しはじめて、スタートを切らせていただきました。内容に関しては、かーなりのバリエーションと、かなりのクオリティで見せられているのではないかと思っています。

そんな中から作品をご紹介。

まずは、これは外せない、京都が世界に誇る(でも今は東京に居る)京都造形芸術大学卒のikikちゃんの作品。彼女は、一昨年、卒業制作でリソグラフを思う存分使いたいと云って、いきなり東京のhand saw pressに飛び込んできてくれた。当時、レトロ印刷JAMで数度印刷しただけだったにも関わらず、細やかなグラデーションと色調整、そして色分解を自家薬籠中の物としていたツワモノ。結局、2週間、hand saw pressにシュラフを持って泊まり込んで(ほんとよ!)、1冊の本と小さなzineを余裕で作り上げたのでした。彼女のPhotoshopのレイヤーを駆使して作るグラデーションと細やかな色調整のテクニックは、多分国内ではナンバーワンだと思われます。自分も彼女がどうやって刷ってるのか分からない部分もいくつかアリ。その美しいグラデーションをぜひご堪能ください。

そして、もう1点。こちらをどうぞ。

こちらは、京都在住のイラストレーターMARONASTYさんにお願いして作ってもらった3M(MOYA/MIZPAM/MARONASTY)による競作のポスター。これ、かーなり精緻な仕上がりになっているので実際見てもらいたいのですが、黒い紙に白と蛍光グリーン、金色で印刷しています。ただ、よく見てみると上のアートワークには、ほぼほぼ蛍光グリーンが出ていません(金はこの時点では印刷していない)。しかし、下のアートワークでは、ギラギラに蛍光グリーンが出ています。

これは、印刷した瞬間が上、1日置いて乾いたのが下、です。つまり、ちゃんと乾くまで、色がどのように仕上がってくるか分からないという代物。リソグラフの特徴でもある水溶性インクゆえの、この感じ、半日から1日、「さぁ、いったいどうなってるかなー」と待たなければならないのです。

そんな実験をより加えた作品をエキシビジョンが始まったあとにも関わらず、未だ制作中という事実(笑)。来週の水曜日にはお届けできるかなー、という感じでございます。乞うご期待!

本日21日は、今回作品を預からせていただいた絵描きのMississippiさんや関美穂子さん、kioneさん、デザイナーの細井俊介さんや仲村健太郎さん、かーなり濃厚な方々が一気にご来店。それ以外にも、小さな男の子が自分の絵を持ってリソグラフ体験をしに来てくれたり、アバンギルドの店主・ジローくんがいきなり「なにしてんねん!」と飛び込んでくるし(笑)、彦根のmitts fine book storeの細江さんたちが駆け込んで来てくれたり、最後はかの有名雑貨店アルファベットのオーナー、ゴウダさんが、ひっさびさに和歌山から登場したり(笑)。もう、なんだかメチャクチャ。

ただ、皆、それぞれの形でリソグラフという印刷に興味を持ってくれている方々であり、そういうメチャクチャな繋がりが持てたことに、今回のエキシビジョンをやった甲斐があったなー、と。

また、明日、誰が来てくれるのか、どんな反応を見せてくれるのか、とにかく楽しみダス!